福島県立美術館・学校連携共同ワークショップ2020

あれよあれよあれよと2020年が終わり、気がついたら2021年になっていました。
とにかくコロナ年だった2020年。
それでもFRIDAY SCREENは2020年もおかげさまでいろんなお仕事させていただきました。

その一つ。福島県立美術館が福島県と実施している
「学校連携共同ワークショップ」に今年度、講師として参加しました。
福島県ゆかりのアーティストが県内の幼稚園から高校までを対象に、
応募いただいた学校に出向いてワークショップをする、というものです。
今回で2回目なのですが、毎回新鮮。
わたしたちは6つの小中高へ行ってきました。

ほとんどのアーティストさんが、公募する段階でワークショップの内容を決めています。
わたしたちの場合は、応募いただいた学校の先生と打ち合わせをして
その学校に合わせたワークショップを考えることにしています。
今年は「音・色・かたち」というテーマで6校分のワークショップを考えました。

そしてその成果展がこちら。
会 期:2021年1月15日(金)~1月18日(月)
開館時間:9:30~18:00(最終日は14:00まで)
会 場:福島市子どもの夢を育む施設こむこむ4階 企画展示室(福島市早稲町1-1)
観覧料:無料

このブログをアップしている段階で展示最終日ということはさておき。
きっとコロナ渦で、よほどじゃないと展示会場まで足を運ばないと思うんですよ。
なんと美術館で動画作ってくれました!
さらに、今ここで子どもたちの作品について少し解説します!
これで展示を見た気になれます!
これぞリモート展覧会。

まず入り口入ってすぐ右手側と正面にある作品たちです。
小野高校美術部のみなさんの作品。(一部です)
小野高校美術部では、「未来の音」というワークショップをやりました。
タイトルだけ聞くとなんじゃらという感じなのですが、
どんな未来の音かというと、
「友達に◯年後に再会したとき、登場したときの友達につける音」です。
いつ、どこで、どんな状況で、どんな気持ちでその友達に再会したのかを想像し、
音をつけて、その音をグラフィックにして、デザインもやってもらいました!
図らずも(いや、図ったかも)難しい〜ワークショップになりました。
でも、高校生おもしろかった!ちゃんと楽しんでやってのけてくれました。

そう、そして作品のサイズ感がわからないですよね。
こうです↓
みんな短時間でがんばりました!

わたしたちのワークショップはすべて共通していることがあります。
それは自分の身長よりも大きい作品をつくろう!ということ。
机の上で作るものは学校の授業や家でもできるので、
普段できない大きさにチャレンジしてみてほしいなーと。
一度大きなもの作ると、大きなものを作るのが苦じゃなくなるので
そういった意味も込めて、そういうルールにしています。
あと、自分より大きなものをひとりで作ったことがあるって、
すごく自信になると思うんですよね。

次は入り口入って左側。
大越小学校6年生の作品です。

「いただきます。」の周りにあるのは子どもたちがつくった「食べ物の音」。
このワークショップのタイトルは「ともだちに贈るしあわせなひとくち」。
一人二組になってもらい、相手の好きな食べ物をヒアリング。
相手がその好きな食べ物を食べたときの一口目の音を
イメージしてデザインしてもらいました。
大越小学校は丸一日時間をいただいたので、
音をイメージしたり、音を形にしたり…といった
デザインをする前の事をたくさん授業することができました。
ほんとうにみんな上手にグラフィックデザインできました。
「とろり」だから文字を溶けてる風にしよう、とか
「シャキ」だから先っぽまで鋭利にしよう、とか。
みんな自分で考えたんですよ。
どれも美味しそうな音ばかりで、ほんとにハッピーなワークショップになりました。

さて、真ん中に吊られているこの作品は、
郡山の日和田中学校・美術部のみなさんの作品。

日和田は何が迷ったと言いますと、ワークショップのテーマです。
先生と打ち合わせして知ったのですが、
日和田は昔、瓦の産地だったそうで、
さらには松尾芭蕉が立ち寄って句を詠んだ土地でもあるという
テーマの宝庫だったのです。
瓦か芭蕉さんか…迷った末、瓦にしました。
タイトルは「瓦のキモチ」
まずは瓦がどんな工程で作られているのか説明。
あとはデザインの前に、気持ちを音にする授業をしたり、
美大の1年生がやるような、短時間にたくさんのエスキース(下書き)を描くような
スパルタな時間もいれてみました。
それぞれ、瓦の状況にトリップして、いろんなキモチが出てきました〜

福島市のふれあい教室では、おしゃれなデザインがこんなに出てきました。
これ全部音がテーマなんです。
左から、炭酸の音、パソコンのキーボードの音、揚げ物を揚げる音、
秋の虫ぼ鳴き声、本をめくる音、いろんな音を撮ってくれたのでごちゃまぜ、
水槽のポンプの音、車のエンジンがかかる音、鈴をつけた猫と戯れてる音。
楽しいでしょう?

ふれあい教室は全3回だったので、
1回目では音遊び、2回目で音からイメージ、3回目で音をグラフィックにする、
という段階を踏んだワークショップができました。
奥のカラフルな作品は、1回目でみんなに録音してもらった音を
2回目で色とタッチで表現してもらった作品。
3回目では、この素敵な作品を切り刻んで、手前にある
自分の足音をデザインして表現する材料にしてもらいました。
普通なら、2回目の作品ができたところで完成にしたいところなのですが、
これが実はただの材料だという…
裏テーマ「創造と破壊」も見事に成立しました!笑

会津美里町では町の子どもたちを対象にワークショップしてきました。
その名も「お納めください!天海さん!」
会津美里町出身と言われた天海大僧師に、今の会津美里町はこんなだよ!と
伝えるためのポスターと音CMを作りました。
会津美里町の高田梅やみしらず柿の葉、本郷焼や自宅や会場にあったいろんなものを「拓本」(こすりだし)にしました。
拓本は中国でポピュラーだった技法です。石碑の文字を転写したりとか。
天海さんが儒学(中国の学問)などを学んでいたとのことだったので
天海さんが目にしたことがあるであろう技法を選びました。
3m×3mの大作です!!
音を聞かせられないのが残念ですが、
子どもたち自信が拓本したものを使って音を収録しました。
その音をFRIDAY SCREENで再構築して音楽にしています。
会場でずっと流していました!

そして最後は渋川小学校の作品です。
実はこれは私達にとっては2回目のワークショップ。
「シブカワザウルスの鳴き声をつくろう」。
この事業に以前参加したときにも渋川小学校が参加してくれて、
このワークショップをやりました。
校庭にある、恐竜のシルエットをした桜の木=「シブカワザウルス」の鳴き声を想像して鳴き声を作り、それをグラフィックデザインして
立体制作までするという内容。
いろんな質問をすることで、子どもたちの頭の中にそれぞれのシブカワザウルス像ができてきて、
最終的にはそれが子どもたちの手によって、外に飛び出すのです。
おもしろい鳴き声ばかりで、なんでその鳴き声なのか、
聞いてみるとほんとうにおもしろい。

こんな感じで、全部で6つの大作が
こむこむの企画展示室を埋め尽くしたのでした。

前回もそうでしたが、どのワークショップもほんとうにおもしろかった。
子どもたち以上にこっちが楽しんでしまったのではないかというくらい…
あと、たった一日、数時間のワークショップでも、子どもたちの成長が見れるのがおもしろいです。
年齢に対して、ちょっと難しいかもなーってことも、
頭を悩ませつつ、意外とみんなできちゃうし。
脳みそが若いっていいなーと思います。その分、みんなの可能性も無限大。

全員に美術や図工が好きになってほしいとは思わないけど、
いつもの生活が前より少し楽しくなってくれたら嬉しいです。
みんな、またどこかで会いましょう!

カテゴリー: WORK